たまたまみの魚書店

本と魚とその他いろいろ。どなたか私のお話聞いていただけませんか?

魚書店~歴史なんて分からなければ作ればいい~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 

  突然ですが、大人になっても覚えている学生の頃の勉学知識ってたくさんありますか?大雑把に分けると

 

 国語数学理科社会英語

 

 この5つですよね。でも、これだけ勉強していても使う場面がないものに関しては全く覚えていない。という人が多いのではないでしょうか。多いと信じたい…

 私に関しては本を読んだり食材の原価を計算したりと…それくらいしかしてきませんでした。そのため「5教科」としてまとめられるものはほとんど頭に残っていません。悲しいことに。

 

 その代わりと言っては何ですが、自分の興味のあることに関する勉強。は、とことん追求していました。高校時代は調理師免許を取るための授業が毎日楽しくて、「栄養学」「食品衛生」などはいまだに頭の中に残っていて、たまに教科書を開いたりもしています。

 

 ただですね…最近仕事で「英語」を使わないといけない場面に毎日のように遭遇するため、本気で勉強した方が良いのかな…でも今更続けられるかな…と色々迷っているところです…。

 

 そんな中以前もお話しした、私が「社会」とことん苦手だという事なのですが…これが不思議な話、勉強苦手な人でも「歴史」だけ異常に強い人っていますよね?私の同居人の方もそうなんですが「歴史」に関しては人物や戦いの名前、時代、歴史上の地名などスラスラ口から出てくるんです。

 

 …何ででしょう?

 

 興味があるからなのだとは思うのですが、そういう人に出会うといつも感心してしまいます。

 

 そして。その苦手な「社会」が大量に出てくる。けれども面白い。そんな小説をご紹介します。

 

 

『凶笑面~蓮丈那智フィールドファイルⅠ~』

 

 

 こちらは北森鴻さんの作品です。「異端の民俗学者と呼ばれる蓮丈那智と助手の内藤三國のもとに舞い込む依頼を調査するためにフィールドワークに出向くと、毎度事件へと豹変する。と言ったお話です。1巻は5篇の短編集となっており、それぞれかなり濃い内容となっています。

 

 本の帯に本格ミステリ×民俗学なんて書かれては、いつも通り私が買わないわけないんですよ。あらすじを読んだだけでは女性なのか男性なのか判断はつきませんでした。結果「女性の民俗学者「男性の助手」という事だったのですが、何とも独特な雰囲気過ぎて「無・恋愛」だ!と私が喜ぶような感じではなかったですね。どちらかというと同性同士のコンビ。という感じがします。

 でもそれがまた結構かなり面白いんです。

 

 

 さぁ問題はここからです。私の好きな民俗学ミステリー。それに伴って私の苦手な「社会」民俗学ミステリーを読むにあたって避けて通れないものではあるのですが…

 

 …今回出てくる「歴史」に当たる文言、8割分かりませんでした。

 

 途中で情けなくなってきて、学生時代の学習を後悔していましたね…でも、勉強と違ってここは本の世界。知らない人物や知らない闘い、知らない神様。かなりの量出てきます

 

 …知らないのであれば、自分の中で作っても一緒では?

 

 という考えに落ち着きました。小説なんて読み手の好きなように想像できるのですから、

 

 1から勉強する=自分で作り出す

 

 で良いじゃないか。と開き直って沢山想像させていただきました。まぁかなり面白い想像になりましたよ。

 こんな風に、民俗学についての知識が全くない私でもかなり面白く読めたミステリーでした。想像の量が多かったのでいつもより多少読むのに時間はかかりましたが、まだまだシリーズがあるので続きも楽しみです。

 

 

 


 

 (…ちなみにⅣかⅤか忘れましたが、めちゃくちゃ分厚い文庫本だった気がします…1カ月くらいかかりそうな予感…)

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!

 

魚書店~医療ミステリーの美しき愛情~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 小説を読む上で、登場人物の名前はかなり重要ですよね。ただこの名前にも作者のこだわりがあったりして、結構面白いですよね。

 こだわり抜いた名前はお話に雰囲気をもたらしてくれますが、同時に読みにくさが問題になってきてしまいませんか…?私だけでしょか…漢字はそれなりに読める方だと思っているのですが、珍しい名前が小説に出てくると何度も立ち止まってしまうんですよね。忘れた頃にフリガナを打ってくれる優しいものもありますが、そうでないときは携帯へ検索レッツゴーとなります。ちょっと悔しいですが…

 

「空洞淵 霧瑚」

「御巫 綺翠」

 

 読めなくはないけれど、実際にあるかと言われたら聞いたことのない名前ですよね。

今回は主人公がこちらの名前となっている、以前ご紹介した小説の2巻をお話ししたいと思います。

 

 

『幽世の薬剤師2』

 

 

 『紺野天龍』さんの『幽世の薬剤師』の続編となります。私1巻を書いた時は気づかなかったのですが、紺野天龍さん「現役の薬剤師」なのですね…

「幽世の薬剤師」に関しては続編が出たらすぐに買う!と決めていたので、書店に並べられているのを発見したら何も考えずにレジに並んでいました。そのため正直帯やあらすじなんかも何も見ずに購入し、そして私、読み終わるまでブックカバーを取らない事を決めごとにしている為、今初めて知りました…お恥ずかしい限りです。

 

「空洞淵 霧瑚」➡うろぶちきりこ

「御巫 綺翠」➡みかなぎきすい

 

 …確かにそう読めますが、名づけから『紺野天龍』さんのセンスの良さを感じますよね。そして、以前も熱弁させていただいたように、名前まで美しい…!もう何かがとは分からないけれどとにかく何か羨ましくなるほどに美しいのです

 *ちなみに幽世の薬剤師は最初にキャラクター紹介をしていただいているので、読み方を忘れてもすぐに確認しに行けます。

 

 「幽世(かくりょ)」は鬼や心霊などの「怪異」とい人が共存する異世界。そこに転生した漢方薬剤師の空洞淵霧瑚が、巫女である御巫綺翠とともに事件を解決していくという漢方×異世界×医療ミステリーとなっています。

 

 2巻では「神の子が宿る」という伝承のある村が主な舞台となっており、2人がここへ出向いたころにはかなり深刻な状況でした。そして、医療ミステリーの付属品としてついて来ていた「恋愛」についても進展が。

 

 この2人の愛情美しく慎ましく不器用に素直で、読んでいると心が浄化されるような心地になります。こんなにも進んで2人の行方が気になる小説は私の中で数少ないのです。それほどに美しいです。

 

 そして、ほんの少しの疑問を残して終了した2巻。まだまだお話は終わっていません。3巻についてもまた美しさを語らせてください。

 


 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!

魚書店~共感の多様性~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 皆さん共感性羞恥心』という言葉、聞いたことありますか?他人がは恥ずかしい思いをしている時、自分の事のように恥ずかしくなることを言うのですが、私それなんですよ…

 共感性羞恥心』の方は共感してもらえると思うのですが、ドラマや映画を見ていても「うわ…」ってなりませんか?そのせいで最後まで見られなかったりすることないです?

 

 あと(大きい声では言えませんが)相席食堂という番組なのですが、すみませんこれ私見られないです…同居人の方が見ていたので一緒に見たのですが、体調が悪くなる感覚がして途中でやめさせてもらいました…もちろん面白いところもあったのですが、私には荷が重かったです。

(これは完全に私個人の意見なので、不快にさせたらごめんなさい)

 

 共感能力というのは人それぞれ差があると思いますが、今回はそれを「仕事」にしたお話しを紹介したいと思います。

 

 

『テトラド~統計外暗数犯罪~』

 

 

 こちらは『吉上亮』さんの作品です。このコンビが届ける近未来警察小説となっており、かなり読みごたえがあります。確かにこれは「未来」ではなく「近未来」という言葉がぴったりです。魔法や宇宙人が出てくるという事はなく、本当に人間がちょっと変化してしまった。という感じでした。今回は名前のインパクト80パーセント本の帯のワードセンス20パーセントで決めさせていただきました。

 

  そして、本の帯には「共感能力がない男×空気が読めすぎる少年」というワードが書かれています。『テトラド』の場合、この言葉の意味は

 

 共感能力がない ≠ 空気が読めず非常識

 空気が読めすぎる ≠ 周りを見て気を遣うのが上手い

 

 となってしまうのです。日常的に使われるこの2つのワードは「≠」「=」になるかと思うのですが、小説の中では

 

 共感能力がない = 能力が欠落し「0」共感を覚える努力をしている

 空気が読めすぎる = 近くにいる人の感情を不必要に感じ取りすぎてしまい体に現れる

 

 というような説明になるのです。

 …説明下手で伝わっているかは定かではないのですが、私たちが認知している言葉の意味とは異なった意味を持っているのです。

 

 詳しくは読んでみたらわかります…!説明放棄してすみません…

 

 この正反対の2人は警察庁統計外暗数犯罪調査課」という部署でコンビを組んでおり、通報に至らず見過ごされた犯罪は洗いなおすという任務を任されています。物語は2年前の拘置所から始まるのですが、これがもう何とも壮絶な場面で…

 

 分かりやすい表現で書かれていて、頭の弱い私でもよくわかる内容だったのですが、壮絶な場面の想像にかなり時間を割きました。

 ただこの小説、目に見えるように想像しやすく驚きました。場面が変わり別の場所からスタートしたとしてもすぐに理解することが出来てスルスルと脳内に映像が流れていきました。情報量が多いから時間がかかっただけで、とても分かりやすく面白かったんです。

 

 そして1巻で1章の構成となっており、まだ物語は終わっていません。すでに2巻も発売されているのですが、まだ手に入れられておらずうずうずしております…

 

 静かに落ち着いた場面でも、何故かふつふつと感情が伝わってくるような、不思議な臨場感のある小説です。

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

テトラド1 統計外暗数犯罪 (角川文庫) [ 吉上 亮 ]
価格:858円(税込、送料無料) (2024/10/11時点)


 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!

魚書店~医者視点のおもしろさ~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 今はかなり収まりましたが、新型コロナウイルスの大流行はひどかったですよね。私は運よく掛からずここまで来ましたが、まだまだ気は抜けないですよね。身内は全員かかってしまったのですが、移らないようにするのに必死でした…前の職場では

「コロナになったら一度クビにする」

 と言われていたので冷や冷やしながら生活していましたね…(冗談だったとは思うのですが、何とも言えないところでしたので…)

 

 街中でマスクをしている人も少なくなりましたし、繁華街では歩きにくいほどの人であふれかえるようになりましたね。嬉しいような、過ごしにくいような…まぁ危険が減ったことはいい事ですね。わたしも最近は病院以外ではマスクなしで生活来るようになり、肌荒れなどの悩みもかなり解決され始めました。

 

 大々的に流行したのは2020年からだったとは思います。なのでその後はコロナを含めパンデミックの小説が少し増えたように思いましたが、今回ご紹介するものはそれ以前に書かれた小説でした。

 

 

『白銀の逃亡者』

 

 

 またまた知念実希人さんの作品です。致死率95パーセント凶悪なウイルスの大流行が終息した世界が舞台となり、感染から生還した者たちが引き起こす生存をかけた闘いを描いたものです。私は去年この本を読んだので、コロナの影響でこの作品を思いついたのかなぁ。と勝手に思い込んでいましたが、2016年に1度出版されていました。

 

 この感染から生還した人たちには「異能力者」へと変化しており、その被害を防ぐため新しい自治区を設営し隔離する。という措置を取られていました。「隔離」という点では初期のコロナと同じ措置かと言えますが、違いは隔離の長さです。

 

 コロナ感染の場合大体が2週間ほどで収まっていたかと思いますが、この小説での隔離は「感染生還者は一生」というまた違った意味合いでした。コロナを軽く見るわけではありませんし、亡くなったかたもいらっしゃるので何とも言えませんが、「一生」という終わりのない隔離は人間に色々な感情をもたらすのだという事がよくわかりましたね。

 

 そしてそして。これまた私の好きな

 

「恋愛が付属品として付いて来るコンビ」

 

 まさにこの小説はこれに当てはまるんです。更に女の子の好きな「年上」との組み合わせ。更に更に知念実希人さんの作品。

 

 こんなもの面白くないわけないじゃないですか。彼の書くテロ計画は裏に裏をかかれることばかりで、最後まで結末が読めず最高に面白いのです

 

 表紙は黒いサングラスをかけた女の子と男の人の姿が描かれています。それなのに私が想像した人物は少し違った容姿でした。普段なら主人公が表紙に書かれている場合、その容姿を想像に使うのですが、何故か今回は頭の中で反映されませんでした。

 

 …私にもよくわからないですが。頭の中で自分の都合のいいように変換しているのだと思うのですが…まぁ、面白かったのでなんでもOKです。

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

白銀の逃亡者 (光文社文庫) [ 知念実希人 ]
価格:748円(税込、送料無料) (2024/10/9時点)


 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!

魚書店~面倒になる前にやっちまえ~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 お菓子作りって、何もかもをきっちり分量を量らないといけないですよね。

『砂糖・バター・小麦粉・卵』

 大体この4つがそろっていれば何かしらのお菓子は作れる。けれとその分量が変わるだけで全く物が出来上がる。不思議ですよね…。

 

 私の母親は昔からよくプリンやクッキーを、祖母はケーキやおはぎをたくさん作ってくれていました。その血筋のおかげなのか、私もよくお菓子作りをするようになりました。

 

 ただ、問題はここからなのです。2人とも、かなり適当…と言っては失礼かもしれないですがちょっとばかし大雑把なのです。まぁその血も受け継いでいるのですが。

 

 お菓子作りをするうえで、毎回「本物のバター」なんて買えないじゃないですか。そこでいつもケーキ用マーガリを使うのですが、大体100グラム1本で、200グラム入り。の物がスーパーで売っているかと思います。

 そんな中レシピに「90グラムのバター」などと書かれては

 

「10グラムだけ残すの?」

 

 ってなりませんか?なるんです。母親は「じゃあ100グラム入れて、ほかの材料もちょっとずつ増やせばいい」というスタンスです。

 そんなこんなで、子供である私もその教えに倣って育てられたのですよ。

 

 今回は適当な私が最近作ったお菓子をご紹介します。

レモン果肉

 これは、同居人の人が仕事場で貰って来た「レモンの果肉」です。正直貰って来た時はどうしようかとも思いましたし、何回か面倒になりかけましたが、気力を振り絞って無駄にしない努力をすることに。

ジャムになるのか…

 とりあえず果汁をできる限りの搾り取り、残った果肉は砂糖とともに鍋へ

ケーキ生地

 絞った果汁生地の中に混ぜ込みました。

 

(当然のように分量は適当ですが…本業の方たち、不快にさせたらすみません…)

 

 果肉は、運よくジャムくらいの甘味が出ればいいなぁとそれなりの砂糖を入れてはちみつを入れ。多少苦みが出るのは許容範囲で、思ったよりいい感じのジャムになりました。

レモンジャム

 果汁を混ぜ込んだ生地は、ウィークエンドシトロンのようにしようかと思っていたのですが(面倒になったので)上から粉糖をかけるだけに変更。

 

レモンケーキ

 これが中々美味しくできたんですよね。そう、毎回毎回適当にやってある程度いい感じにできてしまうものだから、この大雑把な性格を変えることが出来ないんですよね…

 

  以前オーブンレンジを最新のものに変えてからというもの、焼き物や蒸し物をするのが楽しくて楽しくて。1人暮らしを始めた頃から愛用していた1万円ちょっとのオーブンレンジをしばらく使い続けていましたが、やはり能力や容量の限界があり…

オーブンレンジ

 今はこの東芝さんのオーブンレンジを使っているのですが、もう最高です。結構大きい買い物になりましたが、買って損なしでした。お菓子作りはもちろんですが、蒸し料理や炒め物、煮物など何でもできます。専用のレシピ本が付いていて、その番号に沿って操作をすれば勝手に加熱調理してくれるという…

 


 

 買った翌日は1日中オーブンレンジで遊んでましたね…なんせタッチパネルでカラー画面ときたらテンション上がらないわけないですよね?

 色々挑戦してきたので、またそのお話もさせて頂こうと思っております。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!

魚書店~生まれ変わったら大学に行きたい~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 大学って楽しいですか?私は高校卒業後に調理の専門学校へ進学したので、どんなところなのかは想像でしかないのですが、やはり楽しいのでしょうか?私の周りでは大学へ進学している人が結構いたんですけど、結構のんびりしている人もいればバイトサークルに遊びにととにかく動いている人、実習に追われる人。などと色んなパターンがありました。これって学部の違いなんですかね…?

 

 私の場合、小学校のころから料理がしたかったので大学に行く気はこれっぽっちもなく。何なら高校で調理師免許を取ったので、専門学校に行くこともあまり考えていませんでしたが、今では行ってよかったなと思っています。

 

 そんな人生だったので大学とは本当に無縁の生活をしてきたので、小説で大学が舞台の物を読むととても気になるのです。そして今回はそんな大学が舞台となったお話をご紹介します。

 

 

『両面宿儺の謎~桜咲准教授の災害伝承講義~』

 

 

 こちらは『久真瀬敏也』さんの作品です。過去に起きた災害の伝承を研究する桜咲准教授危険な旧地名や伝承・神話・怪物の謎を解くという今まで見たことないミステリーでした。本の帯には「歴史民俗学の醍醐味を凝縮した学べるミステリー」本屋大賞の理事さんがコメントしていました。

「学べるミステリー」

 確かにこれは勉強になるし、自分の考え方を広げることのできる内容でした。

 

 これ、かなり興味深いです。面白い。

 

 この本を手に取ったきっかけは、あるアニメでした。元々アニメは全く見なくて詳しくなかったのですが、知り合いに「呪術廻戦の映画を見に行こう」と誘われ、まぁ見事にはまってしまった訳です。翌日にはアニメの方の呪術廻戦も見始め、こちらにもドはまり。そこで知ったのが「両面宿儺」でした。

 

 その後、本屋さんで「このミス大賞シリーズ」を見漁っていると目に入って来た『両面宿儺の謎』というタイトル。こんなの気になってしょうがないじゃないですか?そしてその頃「准教授もの」の小説を読んでいたこともあって引くに引かれて買ってしまいましたね…

 また、表紙ですよ表紙桜咲准教授女の人が描かれています。

 

 …これは「年上の男の人と女の子のコンビ」なのでは?

 

 と私のセンサーが働き余計に興味をそそられました。センサーの反応は正しく、おまけに「無・恋愛」最高です。読んでみたらもうこれ最高過ぎて、自身最速のスピードで読み終えました。今も記録を塗り替えられていないくらいに最高に面白かったです。

 

 

 


 

 

 ミステリーではあるものの小説の雰囲気が柔らかく、すらすら読めるのにじっくり考えさせられるという素晴らしさ。登場人物の個性も程よい濃さで「次が読みたい」と思えるような本でした。

 

 とりあえずは1巻で終了するのですが、まだまだお話は止まりません。今は4巻まで出ているので、また近いうちにご紹介できればと思っています。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!

魚書店~無恋愛コンビの頂点~

たまたまみの魚書店へようこそ。

 

 私、吸血鬼大好きなんです。突然すみませんが、吸血鬼大好きなんです。

 初めのころに『衝撃的な出会い』としてご紹介させていただいた『憧れの作家は人間じゃありませんでした』の主人公も吸血鬼だったのですが、おそらくその作品を読んで魅力に気づいてしまったのだともいます。

 

 美しい姿のまま長い時を生きる吸血鬼は、いつもきれいな描写で描かれています。長寿で日光はもちろん銀製品NGで、人の生き血を必要としている。という情報はどの作品でも同じだと思います。基本情報としてはこのようなもので、そのほかに色々オプションが付いて来るような感じですね。

 

 そして私の勝手なイメージなのですが、「吸血鬼」「ドラキュラ」は別物のように感じているのです。言い方を変えただけで何が違うんだという話なのですが、

 

 吸血鬼 ➡人間として共存しようと生きている「麗」

 ドラキュラ➡人の生き血を求めて夜を徘徊する。「美」

 

 というような印象です。本当に私の勝手な解釈ですので、そんなことないぞって方もいらっしゃると思いますが、ご了承ください。

 

 そして、こちらは何度も言わせて頂いているかと思いますが女の子たちに好かれる「年上の男の人と女の子のコンビ」。これと、私の好きな「無・恋愛」。2つの要素が合わさったらもう最高としか言いようがないですよね。今回はそんなお話をご紹介させていただきます。

 

 

『吸血鬼は目を閉じ十字を切った』

 

 

 まさにそのまんま吸血鬼のお話だと分かるタイトル。こちらは『酒場御行』さんの作品です。これを本屋さんで見つけた頃はまさに吸血鬼が主人公の小説を求めていたので、目に入った瞬間に手に取り表紙を見た瞬間に購入しました。

 

 結果。即決してよかったです。

 

 吸血鬼を監視する非公開組織に加入した女子大生吸血鬼から迫害された美しい青年(吸血鬼)のお話です。冷淡で他人に心を開こうとしない青年に無理やり干渉していく女子大生の姿が、読者の感情を色んな方向にもっていきます。

 何せこの小説、美しいです。ですが内容はかなりシビアと言いますか、

 

 「え…」

 

 となる場面が多く苦しいところも多々ありますが、そんなところを含めて全部「美しい」と言えます。それは内容だけでなく、表紙にも言えるのです。

 教会のようなところに立つ吸血鬼が描かれているのですが、今回は小説を読む上での想像でこの絵にかなり影響されました。

 

「人ならざる者」お話の中では「異端」と表現されていますが、人と共存する世界って凄い面白いですよね。実際にそんな世の中になれば犯罪や争いが今よりもはるかに多くなり危険が付きまとう世界になりそうな予感もしますが、少し行ってみたいなぁ…というのが本音です。

 

 「年上の男の人と女の子のコンビ」

 

とは言いましたが、この吸血鬼さん「200歳は越している」と言います。

…年上すぎますが、見た目はめちゃくちゃ若いのでそこは気にしません。

 

 そしてこの小説を読んで初めて得た知識なんですが「亡くなった人の血」吸血鬼が飲むとどうなるか皆さん知っていましたか?これって吸血鬼の基本常識なのか分かりませんが、私は初めて知りました。(詳しくは言わないでおきます…)

 

 


 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!またのご来店お待ちしております!