魚書店~大人になれる憧れの小説~
たまたまみの魚書店へようこそ。
皆さんは普段、本を読むときって同じ本を何回読みますか?図書館などで借りて読む方は1度だけ読む方が多いかと思います。書店で購入する場合は、いつでも読める状態であるため何度も読む人も多いのではないでしょうか。
私は、学生の頃はあまり本を買う余裕がなかったので同じ本を何度も何度も読んでいましたが、最近では本当に気に入ったものや理解しきれなかったものは再び読むことが多いです。お気に入りの場面や爽快な場面って、何度読んでも面白いですよね。
中学生のころは文庫本ではなく単行本を好んで選んでいて、実家の本棚はすぐに埋まってしまっていました。その頃は私の本選びに母も同行してくれていました。そこで勧められたのが今回ご紹介する作品です。
『虹の岬の喫茶店』
こちらは『森沢明夫』さんの作品です。もうこれは何十回と読み返した大好きな作品です。中学生の私は何度この喫茶店に行きたいと思ったことか…
岬のはずれにある小さな喫茶店に訪れる、心に傷を抱えた人たち。店主であるおばあさんとコーヒー、他にも色々ないい出会いをする事で心に少しづつ変化が現れます。私がコーヒーにあこがれを持ったのはこの小説がきっかけだったように思います。
『喫茶店での一期一会が人生に光をもたらす、感涙の長編小説』
という風に帯では紹介されています。学生だった私はただただ感動していただけなのですが、大人になってからというもの「これが感動して泣くという事なのか。」と覚えるほど涙なしでは読めなくなりました。でもただの感動ではなく、染み渡ると言った方がただしいのかもしれませんね。
このおばあさんの真似をしたら同じように生きられるかな、なんて思ったこともしばしば。お話の中で器の金継ぎの話題が出てくるのですが、これまた憧れて家で割れた器を金継ぎしたり…
とにかく影響されまくっています。未だに。そのくらい心の中に残る作品でした。映画化もされているようですが、この物語は絶対に本で読むに限ります(映画は見ていないので断言はできませんが…)。どの部分も決して簡略化・変化させてはいけない。と勝手に思っています。
この小説を読み終えた後、自分の心が大人になった感覚に陥ります。歪んだ姿勢を強制してもらったような、まっすぐになった、そんな感じがします。
サスペンスやミステリ好きの私からは珍しいチョイスかもしれませんが、学生時代は母が勧めてくれたものも多かったので、このようなヒューマンドラマも結構読みました。その中でも『虹の岬の喫茶店』は特に大好きです。丁寧に扱ってきたつもりでしたが、もう表紙が擦り切れてきてしまいました…
一人暮らしを始める際にもこの本は欠かさず持っていきました。どこか、昔の純粋な気持ちを思い出させてくれるような存在になっています。いつか私も、この物語のようなひと時を送れる場所を見つけたいですね。
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