魚書店~わずかな非現実の希望~
たまたまみの魚書店へようこそ。
私は以前から何度か「コンビ」について熱弁させていただいていました。
「無恋愛コンビ」
「年上の男の人と女の子のコンビ」
「恋愛が付属品として付いて来るコンビ」
などなど…今回その中に新たなる「コンビ」が追加されます。
「男の歳の差コンビ」
同性同士のコンビとなると、異性とは異なった「包容力」を感じませんか?日常で包容力を感じるとなれば、無邪気な年下を見守る。というような想像が出来ますが「無邪気な年上と大人しい年下」となれば、また違った「包容力」を感じられるんですよね。
今回はそんな「男の歳の差コンビ」でありながら、私の好きな「准教授もの」のお話を紹介します。
『准教授・高槻彰良の推察~民俗学かく語りき~』
こちらは『澤村御影』の作品です。以前『憧れの作家は人間じゃありませんでした』をご紹介させていただきましたが、私はやはりこの方の書く小説が大好きです。
嘘を聞き分ける耳を持つ男子大学生
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大好きな怪事件を収集する准教授
この小説の面白いところは上げ始めたらきりがないのですが、まずはこの准教授「高槻彰良」がとにかくイケメンだという事ですかね。表紙にもイラストが描かれていますが、読めば読むほど彼の色々な面での美しさが分かります。容姿だけでなく、周りから愛されていることがすごくよくわかります。
そして、完璧な主人公に「大きな不安要素がある」という設定はよくあるものだと思います。高槻彰良の場合、普段全く見えないのに突然膨大な量を押し出してくる。というとてつもない不安定さを演出しています。たまに不安にもなりますが、これが面白い。
そのほかにも、
「現実の中に取り込まれた僅かな非現実」
これがかなり魅力的です。高槻彰良は「大の怪異好き」なのです。大学のサイトに実際にあった怪異事件の投稿を募集し、依頼のあったものに対して自ら調査をしに行くほどです。基本的には「それは怪異の仕業ではなく、こういうことが原因ですよ」というように怪異でないことを証明しに行くのですが、
ごく稀に「本物の怪異」が紛れ込んでいるのです。これ。これが「現実の中に取り込まれた僅かな非現実」なのです。この「僅かな非現実」が重要なのです。
「非現実」がごく少量に抑えられることで「…もしかして私たちの現実にも起こりうる?」と言う風に希望を持たせてくれるのです。ありえない話なのは分かっているのですが、希望を持つにはこのくらいの現実感がとてもいいのです。
頻繁に「怪異」が出てくる「憧れの作家は人間じゃありませんでした」これはこれでものすごく面白いのです。ただ完全な非現実なので、想像で楽しむお話。とでも言いますか…
…どちらがいいとは言い切れませんが、違った楽しみ方があるのです。
そして、以前もお伝えさせていただいたかと思うのですが「澤村御影」さんの作品は「とにかく表現が綺麗」というのが私の推しポイントなのです。育ちの良さというのでしょうか、隠そうにも隠し切れない「澤村御影」さんの人の良さが出ているのです。
1巻では2人が出会ったばかりなのでまだまだ探り探りの状態ですが、今現在10巻+番外編2まで出ているので、関係性もかなり変わってきています。どんどん紹介できたらと思っていますので、また読んでいただけると嬉しいです。
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